大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和42年(オ)633号 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人前田外茂雄の上告理由一ないし四について。

被上告人は本件布団の仮還付を受けたことにより自己が所有権を有すると信じて占有を始めたものであつて、本件布団の善意の占有者と認める旨の原審の判断は、原審が適法に確定した事実関係のもとにおいては正当として是認でき、原判決には所論の違法はない。所論は、原審の認定にそわない事実に基づいて原審の判断を非難するもので、採るを得ない。

同五、六について。

所論布団の賃貸料が民法八八条二項にいう法定果実に当るとした原審の判断は正当で、原判決には何ら所論の違法はない。論旨は理由がない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 岩田 誠 裁判官 入江俊郎 裁判官 長部謹吾 裁判官 松田二郎 裁判官 大隅健一郎)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例